一年前から電池が1か月しか持たなくなり自分で交換していました。とうとう動かなくなってしまったということでのオーバーホール依頼です。
(1)不動ということでしたが、届いた時には動いていました。
数時間後に止まりました。
(2)受付時の分解しない状態での顕微鏡観察でツメ車に多量の黒い潤滑油が塗布されていることがわかりました。セイコーの他の3機種の電池式腕時計のEL-370、EL330、ELNIXにも同じく、
ツメ車、逆転止めレバーの機構はありますが、いづれの技術解説書にも注油指示はありません。
この多量の粘度の高い油は不調の一つの要因かもしれません。
輪列受けを外した状態で見たツメ車です。
多量の黒い潤滑油ですが粘度が高くなっていてしつこく洗浄して取れました。
潤滑油は固着、蒸発していました。
裏フタパッキン部に汚れ腐食があり、気密性が低下しており、地板に水垢状の固形膜が広い面に付着していました。
(1)6姿勢とも安定した良い結果が得られました。
進み目の調整で、3日間ランニングしました。日差は+4秒、+3秒、+4秒と日差は+5秒以内で安定しました。
良好な結果が得られました。
(2)電池寿命
消費電流は分解掃除前は15μAでしたが、掃除後は9.9μAとなりました。
電池にSR43SW(125mAh)を使用しましたので
電池寿命=(125×1000μAh)÷10μA=12500時間÷24=520日÷30日
計算上は17ヶ月、1年5カ月となりました。
<修理完了日> 2014-11-30
3102Bのカレンダー機構は、諏訪精工舎の2機種目のEL-370にそのまま全く同一部品で引き継がれています。
プッシュ式日送り機構、日送り車からどんな時刻に日付の早送りしても大丈夫なしくみなど
当時、31EL修理はメーカー対応でした。材料店の部品表の31ELの部品番号は空欄になっています。修理をセイコーで対応していたので、部品も販売してなかったようです。したがって、技術解説書は流通していないのかもしれません。どなたか、お持ちの方、おられましたら、情報交換よろしくお願いいたします。