<整備する時計>
Cal.3303A エレクトロニック・ウオッチ EL-370
仕様・説明
キャリバー :37A
電池 :EPX-77 1.5V(径11.6mm,厚5.6mm)
電池寿命1年以上(実力は18カ月)
テンプ振動数 :6振動(21600振動/時)
駆動方式 :テンプ駆動方式
製造開始 :1970年(昭和45年)諏訪
<故障内容>
テンプ動かず動作しない。
SEIKO技術解説書では止まりの場合には以下の5要因を点検する手順になっている。
①テンプとコイルのスキマ
②アンクル引き力
③逆転止めレバーのバネ強さ
④秒針カナ押えバネ強さ
⑤輪列、脱進機の汚れ
<原因>
逆転止めレバーのバネ強さの調整を顕微鏡(20倍)でツメ歯車とバネの関係を調整した結果、快調に動作するようになりました。
注記:ELNIXの修理記録に書いていますが、ELNIXは動作中に逆転止レバーの状態を観察する窓(プリント基板の丸穴)があり、調整のネジもアクセスできましたが、EL-370は動作させながらの調整はできない構造です。この調整ではもう少し倍率の高い顕微鏡がほしくなります。
<逆転防止機構>
ガンギ車とツメ車は一体になっていて日送りや針回し時など輪列に逆トルクが加わるときにガンギ車のツメ車と逆転止レバーによりガンギ車の逆転を防いでいます。