シチズンハイソニック(音叉調速式電池腕時計)

故障2:日曜送り不良+時針・分針が止まる(秒針は正確に動き続けている)

 

文字板、日板、裏板、曜板、曜板押え、曜制レバーなど取り外した写真です。時針がついている筒車と日回し車は12時間で1回転します。日回し車のツメが15時以降は送りレバーを持ち上げて始めます。0時になると日回し車のツメが引っかかりから外れるので、送りレバーが一気に日回しバネで押し下げられ、瞬間日付、曜日送りが行われる仕組みです。

原因は曜板回しピン折れでした。

曜板送りピンが折れているので曜日送りは常時できなかったが、折れたピンの位置によっては送りレバーの動きを邪魔しないので日送りはできました。

日板を押さえている裏板を慎重に外した結果、折れたピンを発見できました。送りレバー交換、そして日回し車もかなり深い丸傷が生じていましたので交換しました。その結果、故障は解消しました

折れたピンのはまりこみ具合では日回し車がロックされます。日回し車がロックすると筒車がロックし時針が停止します。筒車→日の裏車→中心車の筒カナへの伝達がロックしますので分針も止まります。この時に中心車の分車は四番車カナで駆動され続けているため秒針が止まりません。これは写真の通り、別の時計で実験した結果、時針、分針停止時に秒針は正確に動き続けました。中心車の分車と筒カナが摩擦結合していますが、筒かなが固定されても分車は輪列4番カナで回り続けることを確認できました。したがって、四番車が止まらないので三番車も回り続け、三番車についている秒針は回り続けるということを確認できたことになります。